特集 終末期患者の看護
座談会
終末期患者の看護を考える
大森 文子
1
,
杉山 春子
2
,
山田 寿恵子
3
,
田村 レイ子
4
,
木谷 和子
5
,
遠藤 香代子
6
1日本看護協会看護婦会
2慶応義塾大学病院
3国立東京第一病院
4国立がんセンター
5埼玉県志木中央病院
6東京厚生年金病院
pp.38-46
発行日 1968年11月1日
Published Date 1968/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914193
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司会 それでは私が司会をさせていただきます。終末期ということは,回復の見込みがなく死を目前にしている患者さんに対して,私たちはどんな看護ができるだろうかということを話そうというわけです。
ヘンダーソンの「看護の本質」のなかでは,看護はあらゆる病気の人に援助を与えると。もし病気がなおらないような患者さんには,心のささえとなって,安らかに終末期を過ごさせるのが看護なんだといってるんですね。これは特に外国の場合,宗教というもので安らかに死んでいっていただこうということが,わりあいはっきりしているようですけど,日本では,むしろ自分はまだ生きたいんだと考えておられて,死ぬなんてことをわりきれない患者さんを,多く扱っているわけなんです。そういうときに看護婦は,どんな心がまえを持って患者さんのささえになったらいいのか。きょうはそういうことで,ケースワーカーをなさっていますが,看護の造詣もおありになる遠藤さんにも加わっていただいて,話を進めていくことになったのでございます。慶応の杉山さんはいままでいろいろたくさんの経験をお持ちですし…,いかがでしょうか。
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