適正な輸液とは何か? 栄養輸液
終末期がん患者の輸液
小原 弘之
1
1広島県立広島病院 緩和ケア科
キーワード:
悪液質
,
家族
,
緩和ケア
,
呼吸生理学的現象
,
腫瘍
,
生活の質
,
ターミナルケア
,
輸液療法
,
予後
,
診療ガイドライン
,
栄養管理
,
家族心理
,
苦痛
Keyword:
Cachexia
,
Family
,
Neoplasms
,
Palliative Care
,
Respiratory Physiological Phenomena
,
Prognosis
,
Quality of Life
,
Terminal Care
,
Practice Guidelines as Topic
,
Nutrition Therapy
pp.103-107
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017288242
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近年がん終末期に併発することが多いがん悪液質を定義して,3つの時期に分けて有効な介入方法を探索する試みが行われているが,まだ有効な治療法は確立していない.がん終末期の患者の利用が多い緩和ケア病棟では,高齢者一般病棟と比べて,死亡直前期の輸液量や栄養補給が少ない傾向がある.輸液量が少ないと気道分泌の出現頻度が減少する.予測される予後が1ヵ月程度のがん患者に行った1,000mLの輸液治療では,症状緩和の効果は限定的であり,輸液の有無による予後には有意な差がない.がん終末期の輸液は,医療的な側面だけでなく,患者家族の心理社会的な側面も十分に考慮しながらその適応を考えていく.
©Nankodo Co., Ltd., 2017