特集 終末期患者の看護
宗教がある場合
教義の根本にもとづいて
丸田 敬子
1
1天理よろづ相談所病院結核外科病棟
pp.32-34
発行日 1968年11月1日
Published Date 1968/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914190
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はじめに
当憩(いこい)の家,すなわち,財団法人天理よろづ相談所病院は,昭和41年4月1日に発足した。したがってまだ3年目の建設時代にある新しい病院である。教祖中山みき女が天理教を立教されたのは,すでに130余年の昔であり,天理教の根本理念は,「陽気ぐらし」にある。真に世の人びとの幸福を願い,世間の嘲笑をものともせず,教祖中山みき女の遠大なる,世界だすけ,よろづだすけの深い理念は,大和の地場を中心に,全世界に広められ,今や国際的な信者をもつ大きな教団にまで発展してきているが,教祖の御苦労が始まったある時期には,新興宗教への強い圧迫が幾度か加えられた。
昭和10年9月200床余りの結核療養所が設立され,身上(身体的苦悩)をもつ人びとを救わんとされた。教祖が出直されて(逝去)80年祭を記念して,先の真柱,すなわち第3代目継承者,中山正善氏は,教祖みき女の理想を実現するために心を砕かれた。天理教教会本部八丁四面,西右二棟三棟に,親神(天地創造の神)天理王命の御心であり,教義の根本をなす,事情ある者を救い,世界一列兄弟として,陽気ぐらしのできるようにとの願いから憩の家が創立された。
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