特集 看護研究を検討する—あるレポートを中心に
検討3
対人関係の重要性を再確認
小松 順七
1
1福島県立会津若松総合病院
pp.41-43
発行日 1968年10月1日
Published Date 1968/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914149
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はじめに
今までの医学は,どちらかというと疾病そのものに重点がおかれ,人間としての患者はややもすれば軽視されがちであったように思います。しかし近年病気の回復には,患者の心理的側面が大きく影響していることが,いろいろな研究により再確認され,漸次重要視されるようになってきていると思います。
それに伴い看護面におきましても,患者のニードを満たすのに十分な,より専門職業としての体制を確立するための研究がなされており,その結果「総合看護」であるとか,「患者中心の看護」の必要性が叫ばれるようになってきたものと思います。したがって今までの症例研究ですと,患者の疾病そのものに焦点がおかれたもの,または技術面に重点がおかれ,看護とは一体なんであるかと,疑問に思われるような発表が多かったと思います。
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