グラビア
シリーズ/霊長類人科—本性
pp.114-115
発行日 1968年4月1日
Published Date 1968/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913963
- 有料閲覧
- 文献概要
三児の魂百まで……?
人間はつまるところこういったものなのだ、ということをハッキリさせることが人間把握だと思われているとしたら、それは多分誤っている。無限に自らを変えてゆく存在なのだという認識が、まず人間を把える視角の根底になければならない。
美しい反物に魅せられた子供と、豪華な宝石にみとれる大人とは似ているようでちっとも似ていない。無邪気に反物を離そうとしない子供にとって反物はただの布きれでもよかったかも知れぬ。大人は決して無邪気に宝石を手にとって離さない、などということをしない。それが無邪気に手にとれぬ存在だからこそ、それに執着する。それがただの石ころであってはならないことを知っている大人と、子供との間には、無限に変わりゆくみ人間の対照が垣間みられる
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.