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シリーズ/霊長類ヒト科—連帯
pp.106-107
発行日 1969年3月1日
Published Date 1969/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914417
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身体をこごめ、よりそって生きることに、人は不思議に愛着をおぼえるものらしい。ふきさらしの中で、見知らぬ人とかわす盃のそのうら悲しさ、すえた臭いのする満足感は、失なわれゆく情緒の交叉なのだ。機能的で採光を考慮した近代ではコンピューターの金属音がけたたましい。あらゆる情感を排除した所に基盤を持つ近代は、合理という刃で感受性的人種をきりきざんでゆく。そして、きりきざまれたあ肉片を足場にして、近代は荘厳な霊廟を建立する。
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