看護の潮 看護,1968年
特別企画・新春対談
医師は看護に何を期待するか
日野原 重明
1
,
阿部 正和
2
1聖路加国際病院内科
2慈恵医科大学・内科
pp.22-27
発行日 1968年1月1日
Published Date 1968/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913832
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よい看護婦とは
日野原 私は内科医になってからちょうど30年,看護教育に従事してから約25年になり,かなり看護婦さんと親しくタッチしています。きょうは,何を看護婦さんに期待するかというテーマで話をするようにということですが,何といっても,ナースは病人を扱う職業人であるということから,やはり病人をやさしく理解することのできる気持ちを持つ人間であってほしいということですね。私は看護の職業や技術的なことの前の段階として,つまり人間としてこれは最も大切なことであり,これがまず私の最初の言葉と思うんですが……。
●患者を慰める場でもある
阿部 病院というのは病気をいやす場所であると同時に,患者を慰める場所でもあるんですね。そういう意味でいくらいやすことができても慰めることができなければ,看護婦さんとしてつとまらない。もちろん慰めるだけで,いやすことができなければいけないわけで,そういう意味で,この看護婦という職業は,非常にぼくは特殊な職業であるということを感じているんです。普通の職業に比べて,ある特別な人間性が要求されることは,考えようによってはかなりきついことだと思います。やっぱり病院がいやしの場所であると同時に,慰めの場所であるということをいつも頭において患者に接してもらいたい。そういう気持で,日野原先生と全く同感ですね。
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