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医療ゼロ地帯—医学のそとの“医療”
檜垣 日出男
,
本誌編集室
pp.17-19
発行日 1968年1月1日
Published Date 1968/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913829
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迷信(めいしん)新村出編の「広辞苑」によれば,「宗教的・科学的立場からみて,迷妄と考えられる信仰」とある。その判定の標準は常に相対的で,ふつう現代人の理性的判断からみて不合理と考えられる,低級な民族諸信仰・卜占などをさす。迷信であるか,ないかの判定は,その基準が相対的であるというあたりにむずかしさがあるといっても過言ではなかろう。ある特定の疾患をもつ人が,ある信仰に入り平愈したからといって,その信仰に入れば,どんな疾患も治るというものではない。しかし,“病いは気から…”というように,多くの病人のうちには,気のもちようひとつで回復し,あるいはそのテンポが左右されるというケースがある。宗教的・科学的両立場から判断しなければならぬ必要がここにある。
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