看護の視点 不足対策としての看護力強化
病棟看護婦の動きと建築プラン
伊藤 誠
1
1千葉大学工学部
pp.29-35
発行日 1965年10月1日
Published Date 1965/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913743
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現在多くの病院が,看護の人手不足という問題で大きな悩みをかかえておられることは,私どもも十分承知いたしておりますが,これに対して具体的にいかなる対策をたてなければならないかということになると建築の設計を専門にしております私どもの立場からは,特に直接的な提案もございません。ならば,わざわざ出て参ることもないのですが。病院の建築は,そのなかに包含される機能に.今日の問題にかぎって申しますと,看護の面における働きの質に大きな影響を持つであろうことは,否定できません。いいかえますと,同程度の看護水準を確保するために,より多くの人手を要する能率の悪い建物と少ない手間でより高い質の仕事ができる建物とがあることは確かです。このような立場で,主として病棟の建築計画という点に問題をしぼって若干の考察を行なってみたいと思います。病棟は,いうまでもなく,医療・看護の場であるとともに,他面からみると,患者にとって1日24時間をそこで過ごす,いわゆろ生活の場でもあります。したがいまして病棟の計画に関しては,診療看護の側からと,それを受ける立場の患者の生活の側からの両面で問題をとらえていかなければならないであろうと考えます。
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