病院運営の変化 ここ10年余病院はどう変わったか
病棟の建築的変遷
伊藤 誠
1
Makoto ITOH
1
1千葉大学工学部建築学科
pp.968-971
発行日 1985年11月1日
Published Date 1985/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208719
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前に向かって進もうとする時,みずからの道を誤らないためには,常に来し方を顧み自分が今立っている地点を正しく認識しておく必要がある.そのような視座から,中間施設が熱心に議論されホスピスが話題に上ることの多い今日,わが国の病院において病棟がたどって来た道筋を整理しておくことにはそれなりの意味があるように思う.ただし,建築の場合,10年程度の期間では目につくほどの変化は期待できないから,射程を少々伸ばして戦後40年の移り変わりについて見ることにする.
病棟に関しては,産科や小児の病棟から周産期病棟へと本質的な進展が見られ,精神科病棟でもノーマリゼーションといった考え方が生まれるなどいくつかの変化に気づくが,紙幅にも限りがあるから,ここでは考察の範囲を内科系・外科系の一般病棟だけにしぼりたい.
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