新 病院建築・63
英国の病院建築の系譜を追って—病棟を中心に(その1)
伊藤 誠
1
Makoto ITOH
1
1千葉大学工学部建築学科
pp.245-252
発行日 1983年3月1日
Published Date 1983/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207980
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はじめに
筆者の英国における病院歴訪も昨夏(1982年)のメイドストーン病院をもってようやく1コースを終えたような気がする.英国の病院は,今後ともいろいろな面で変わっていくであろうから,ここで勝手に1コースなどと区切ってみたりするのはおかしな話なのであるが,その理由は次稿の結びにおいて述べることになろう.
とにかく,戦後30年,さまざまな点で学ぶことの多かった英国の病院建築の歩みについて,自分の目で見てきたところを整理しておきたいと思う.その意味では多分に私的な事情によるもののように見えるかもしれないが,それより,今や大きな曲り角にさしかかろうとしている日本の病院建築の方向を見定める上で,この整理自体が何がしかの足しになるはずだと考えたのである.
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