連載 看護の思想・6
科学としての看護
青木 茂
1
1東京女子大哲学科
pp.43-47
発行日 1965年9月1日
Published Date 1965/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913716
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科学としての看護とは何か
<宗教としての看護>との相異
<宗教としての看護>は「絶対的帰依の感情」(信仰)に基づく自他の一体感を基調にして成り立った。これに反し,<科学としての看護>はこの一体感を,主観—客観という論理的対立によってひき裂き,患者を「客観」として観察し判断し処置しようとする「主観」(看護婦)の冷静な合理的な手つづきを意味する。
看護の行為が歴史的にも母性本能に基づく自然的な親子・同胞の愛情から始まったことは,「第1部」で見た通りである。だがこのような行為,あるいは宗教的一体感によってのみ患者の病を看とり医やすことはもちろんできない。
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