連載 看護の思想・7
科学的医学の成立と看護に対する意味
青木 茂
1
1東京女子大哲学科
pp.59-63
発行日 1965年11月1日
Published Date 1965/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913778
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看護技術や診療介助を行なうにあたり医学の知識が基礎となることはいうまでもあるまい。このような医学は近代自然科学として,その思想の前提あるいは論理を,前回にのべたような一般的条件の中においている。「科学的医学とは何か」は,その成立に伴う歴史的・思想的問題をあきらかにすることによってのみ理解される。その問題をまず,「機械論と生気論の対立」という視角でとらえ,次に科学的医学の方法論的基礎をクロード・ベルナールの「実験医学叙説」のなかにみる。あたかも近代科学の方法論的基礎をデカルトの「方法叙説」(1637)に見るように。ついで近代医学一般の性格について考え,最後に科学的医学が看護にとってどのような意味をもつのかを検討してみたい。
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