連載 看護の思想・10
看護倫理としての社会科学
青木 茂
1
1東京女子大哲学科
pp.53-57
発行日 1966年2月1日
Published Date 1966/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912631
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第一章 看護における社会科学の必要性
医学的唯物論や生物学的唯物論が誤まっていることは,「現代の唯物論者」でさえもはっきりとみとめている。人間は単なるものではないし,これをコントロールする法則によってのみ支配されている自然物でもないからである。
人間が単なるものでないということは,人間がものとは異なった精神や感情をもち,親,兄弟姉妹,友人などの人間関係,一定の職業,身分,階層に属する社会関係をその背後にになっているからである。
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