Ⅳ.私が受けとめたアメリカの看護
長い歴史とたゆみない努力—看護教育
伊藤 尚子
1
1東北大学医学部付属看護学校
pp.98-100
発行日 1967年10月1日
Published Date 1967/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913378
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学士看護婦養成課程の発展
看護婦に課せられた困難で複雑な多くの仕事を完全にこなし,安全な患者ケアを行ない,さらに地域社会へのサービスをより強化拡張しようとするのであれば,看護婦は今までよりもっと科学的な準備と,深い教育的背景をもたねばならない。看護の基礎教育はもはや単なる技術を身につけさせるだけでなく,刻々と変化し,また複雑さをましていく職責を全うできるよう,深い理解力を育てなければならない。最近の看護教育は他の分野の教育と同じく著しい変化が起きてきている。プログラムは以前に比べてずっと強化されているし,教師の質も高くなってきた。過去10年の間についてみると,病院経営の看護学校への入学生はほぼ一定の線を横ばいしているのに対し,学士看護婦を養成する大学課程の看護学校は相当の成長を示している。新規の短期大学課程の看護学校も急速に発展を続けている。また大学における大学院のプログラムも拡張しつつある。
登録専門職業看護婦として免許を得るため,3種類の看護基礎教育が行なわれている。すなわち学士課程の大学教育,准学士をあたえる短期大学課程,および各種学校課程の病院看護学校の三つである。基礎教育に加えて,より一層の責任ある地位につく看護婦のため,修士および博士課程も準備されている。准看護婦教育プログラムは,公立の職業教育学校あるいは病院によって行なわれており,准看護婦の受験資格に必要な教育が行なわれている。
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