私の印象
高度の教育に基づいた誇り
中嶋 トシ子
1
1永寿総合病院
pp.52
発行日 1967年10月1日
Published Date 1967/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913351
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アメリカにおける看護婦の地位の高さは,その根本である看護教育によるもので,専門職業への各自の自覚と自信がすべてにつながっているといえるでしょう。よりよい患者指導,家族指導が一般社会の人びとへの信頼を高めていくことになり,各自が自分自身の病院における地位を,各分野においてはっきりと認識していることも,教育のあり方に起因しているものでしょう。それぞれの資格をもった人が院内教育に当たり,患者看護の充実についての教育計画がたてられ,勤務時間内に教育時間をとって,徹底させていることも大いに学ばねばならないと思います。看護婦が病院の中の重要な位置にあること,医療業務に従事する人を高く評価していることなど,日本の医療行政にたずさわる人びとに考えなおしてもらいたいことです。
日本の約15倍,25倍特別な所では50倍から70倍にもなる入院料では,患者入院数の2倍から3倍の職員数をもち,ICUのように機械化された集中看護のできる病棟のもてるのも当然のこと,その上ディスポーザブルの多いことにも驚かされて持てる国ならではできないことと感嘆するのみでした。充実した看護ができるのも,すべての面に必要な人と物が必要なだけ補充できるような対策ができているからと信じます。
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