特別研究レポート
適応理論からみた患者の心理・3
上野 矗
1
1東北大学文学部心理学
pp.104-107
発行日 1967年7月1日
Published Date 1967/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913226
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筆者の試みた実験調査のあらまし──発病して入院後3か月までの患者を中心にして
先に記した抗酸菌病研究所での実験調査を基に,患者の入院後の心理について発病までの心理と連関させながら述べよう。そこでまず結核および療養生活に対する患者の適応状態,およびその仕方などの理解のために施行せられた各種テストの結果について述べたい。
1.まず,患者の適応の良否とその精神的特性について,George Calden and others:The use of MMPI predicting irregular discharge among tuberculosis patients15)から,irregular discharge(許可なし退院)指標であるMinnesota Multiphasic Personality Inventory(選択57項目)を,患者の適応の良否とその精神的特性の指標に代用し得るものと考え,施行した。その結果,一般に患者は精神衰弱的で,その適応状態はあまりよいとはいえないことが見いだされた。(表1)
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