連載 日本の医療を探る・4
公衆衛生行政の麻痺—動脈硬化の保健所
川上 武
1
,
木下 安子
2
,
谷 みゆき
3
1杉並組合病院
2東大医学部保健学科
3東大新聞社
pp.65-68
発行日 1967年7月1日
Published Date 1967/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913214
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公衆衛生行政の第一線機関は保健所である。治療医学がいかに発達しても予防が十分おこなわれていなければ病人はあとを絶たない。戦後の医療技術の革新,医療保障の拡大はめざましいものであったにもかかわらず,病人は,年々増加の傾向をたどっている。こうした皮肉な現象は日本の医療が予防と治療に分断され,しかも治療に重点がおかれてきたことと無関係ではない。
現在,保健所は,長い間の予防軽視によっておきてきたさまざまな矛盾のために動脈硬化をきたしている。
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