医学と看護7月のテーマ
心筋硬塞の看護
古家 満寿子
1
1昭和大学医学部付属病院四階一病棟
pp.56-60
発行日 1967年7月1日
Published Date 1967/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913211
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はじめに
心筋硬塞はわが国では少ない病気であると考えられていた時期がありました。ところが最近では脳卒中ほどではありませんが,かなり数多くみられる成人病の一つとしてクローズアップされてきました。さらに生活の欧米化,平均寿命の延長にともなって,ますます増加する傾向がみられます。患者数がふえると,どうしてもその疾患に対する認識をあらためなければなりません。医療の当面の目標である病気から生命を守るだけでなくできるだけ一人前の人間として社会に寄与し,喜びもうけられるように回復させる努力がはらわれるようになりました。これが最近よくいわれるリハビリテーション医学の根本的な考え方であります。心筋硬塞は非常に死亡率の高い病気で,とくに発病初期は常に死の危険がありますので,看護に当たり細かい観察が大切なため,血圧・脈拍・呼吸測定など頻回に行なわなければならず,たいへん密度の高い看護が要求されております。一方医療用の器械の進歩は目をみはらせるほどで,とくに電子器械の発達は性能のよい小型心電計を生みだし,無線式心電計を作り出しました。それにテープレコーダーを組み合わせれば数時間の心電図記録もわけなく行なうことができます。電気的装置による脈拍数計・呼吸数計・血圧計も実用の段階に入りました。これらの医療器械の発達は,医学のめざましい発達をおしすすめています。
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