新・視点
行政学から見た保健「と」公衆衛生
曽我 謙悟
1
1京都大学法学研究科
pp.710-711
発行日 2021年11月15日
Published Date 2021/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209722
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保健と公衆衛生は異なるか
保健と衛生はしばしば類似のものとして扱われる.「保健・衛生」や「保健衛生」と表記されることも多い.言葉の作りからしても,どちらも人々の健康を目指す点では共通する.そして「公衆衛生」となると,「衛生」に限定をかけているので,「保健」や「衛生」という集合の一部分として公衆衛生が存在すると理解される.
他方,具体的な施策レベルで見れば,食品衛生や環境衛生,感染症対応といった公衆衛生分野に対し,狭義の「保健」は,母子保健や老人保健といった形で区分される.行政組織でいえば,こうした区分は保健所が担う業務と市町村保健センターが担う業務の区分ともおおむね合致する.
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