看護の潮 現代の母性とその看護
出産にみる現代の母親—保健指導に役立てるために
高木 タカ子
1
1聖路加国際病院産科
pp.44-47
発行日 1967年6月1日
Published Date 1967/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913173
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15年振りの出産ブームだという。そのためでもなかろうが,母と子の問題がいろいろな型で脚光をあびている現状,乳幼児の食欲不振,学校嫌い中高校生の非行化,単に母と子の関係だけではない家庭,もっとひろめて社会的なバランスの不均衡の生んだ現象が日々の話題に大きくとり上げられている。その最も身近な間柄である母が子によせる過度の愛情,それはどこで芽生えてくるのか。母親としての人柄は何によっていつ形成されるのか。私は母と子がこの世に誕生することを約束された時点から,分娩を経過し産褥の何日間かを過す施設で助産看護をしながら,こんなところに昔と違った何かがあるのではないかと思われる現象をいくつかあげ,このような母性を自分をも含めてどう保健指導していくべきか考えてみたいと思う。
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