医学と看護4月のテーマ
頸椎鞭うち傷害の看護
久保 成子
1
1尾竹橋病院付属准看護学院
pp.57-60
発行日 1967年4月1日
Published Date 1967/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913112
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
頸椎損傷のなかで頸椎鞭うち傷害(Whiplash injury,頸椎捻挫となるが)は近年著明に増大した交通事情がもたらした文化的所産(?)として,専門分野はもちろんのこと,社会一般にも大きくクローズアップされてきている。その原因究明は1964年後半頃より医学雑誌に研究経過が発表されており,私たちにも鞭うち傷害の何たるかは理解されているが,その治療の段階においては異なる見解がなされている場合があるように聞いている。その現状において,これが看護だ,といった独自なものは打ち出しがたく,整形外科看護の一般的な老え方以上に特殊なものはなく,結論からいえば,頸椎鞭うち傷害の看護と銘うってここに著すほどの独自なものはないということである。
ただ,はなはだ不名誉なことに,昨年4月から約1ヵ月,頸椎鞭うち傷害という病名で入院し,患者としての体験を持つ私が,体験から得た看護をという依頼に対して,その範囲内で老察し実験した事柄をここに述べさせていただくことになったという顛末を申し上げておかねばならない。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.