Japanese
English
特集 消化管感染症のすべて2025
Ⅳ.回盲部・大腸・肛門
(B)寄生虫感染症
鞭虫症
Trichuriasis
石崎 優斗
1
,
川島 一公
1
,
鬼澤 道夫
1
,
郡司 直彦
1
,
引地 拓人
2
Yuto ISHIZAKI
1
,
Kazumasa KAWASHIMA
1
,
Michio ONIZAWA
1
,
Naohiko GUNJI
1
,
Takuto HIKICHI
2
1福島県立医科大学医学部消化器内科学講座
2福島県立医科大学附属病院内視鏡診療部
キーワード:
鞭虫症
,
寄生虫
,
大腸内視鏡検査
Keyword:
鞭虫症
,
寄生虫
,
大腸内視鏡検査
pp.247-249
発行日 2025年12月24日
Published Date 2025/12/24
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000002402
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疾患の概要
鞭虫(Trichuris trichiura)は,線虫類の1種であり,衛生環境の整っていない東南アジアや熱帯地域で頻度が多く,全世界で約6億人の感染者がいると推定されている。日本の鞭虫症は稀な疾患と考えられるが,途上国に長期滞在している日本人や,鞭虫が寄生した猿などとの接触による感染が報告されている1)。さらに,近年では有機野菜栽培の流行や,感染流行地域への渡航が容易になってきていることなどから,本邦でも遭遇する可能性が考えられる。鞭虫の感染は,虫卵の経口摂取により生じる。成虫は盲腸に寄生するが濃厚感染では虫垂,結腸,直腸にも広がる。1匹の雌は1日に数千個の虫卵を産出し,糞便とともに排出された虫卵は約3週間をかけて幼虫包蔵卵となり,これが野菜などとともに経口摂取されると小腸下部で孵化し,盲腸に下って定着する。感染から成虫に発育するまで約3カ月を要し,成虫は1〜数年間生存する。

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