医学と看護2月のテーマ
人工肛門患者の看護
矢島 睦子
1
1虎ノ門病院外科
pp.72-76
発行日 1967年2月1日
Published Date 1967/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913043
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はじめに
“人工肛門”がなぜ作られなければならないか,また解剖学的にどのようになっているのか,私たちは知らなければならない。看護を読まれる前に“人工肛門”についての章—人工肛門,腸瘻,糞瘻の違い,特徴,人工肛門の合併症,腸管内に分泌される消化液量,人工肛門・回腸瘻の管理,手術直後の管理,退院前の管理をお読みいただきたいと思う。これらの知識の上に立って看護上の問題点をとりあげ,看護の実際を学びたいと思う。
人工肛門患者の看護の特徴としてとりあげることに,精神看護の重要性があげられる。他の一般手術患者の創の観念とは違ったものがあることである。深い同情と励ましと希望を与えることへの努力が必要となるであろう。これが患者の持つ病苦と不安を少なくする一助となり,患者の立場に立った工夫も生まれ,よりよい看護の方法が見出されるに違いない。
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