連載
やさしい統計学・その2
杉田 暉道
1,2,4
,
津田 忠美
3
1横浜市大(公衆衛生学)
2横浜市立高看学院
3横浜市大医学部公衆衛生学
4横浜市立准看学院
pp.56-60
発行日 1967年2月1日
Published Date 1967/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913037
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§1.2母集団と標本
前節でヘマトクリット値の度数分布を求めた。このヘマトクリット値を,いま“20歳”と“日本人”と“男子”という3つの条件にしぼって測定しようとすると,日本中ではその対象者は莫大な人数となる。この対象者全体を母集団という。このときの母集団の分布の型はどのようなものであろうか。母集団全体を調べるには人手,費用などの関係で困難なことが多いので,その一部分を測定して,その結果に基づいて全体を推測するのが普通である。
母集団の一部で,われわれが実際に調査するものを標本という。標本の例数を標本の大いさという。母集団から無作為(より好みなし)に抜き出した標本を任意標本という。母集団の個々の値は任意標本の個々の値として選ばれるチャンスを平等に持っているのである。以後標本というのは,いつもこの任意標本のことである。
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