Japanese
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特集 人工肛門のAfter Care
人工肛門after careの実際—人工肛門に付随する患者の苦悩
The colostomy;the troubles of patient and its care
穴沢 貞夫
1
,
鈴木 正弥
1
,
綿貫 喆
1
Sadao ANAZAWA
1
1東京慈恵会医科大学第1外科
pp.23-29
発行日 1977年1月20日
Published Date 1977/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206654
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はじめに
近年大腸疾患患者の増加に伴い,その治療上人工肛門造設を余儀なくされる症例が増加の一途をたどつている.日本における人工肛門患者の数は数万とも10万ともいわれているが正確な数は把握されていない.またいわゆる「ストーマクラブ」に組織されているものもたかだか数千人程度と推定され,患者の大部分が人工肛門により不具者になつたのではないかという絶望感疎外感と人工肛門に対する知識と情報の不足に苦しんでいるのが現状である.木邦における人工肛門のaftercareは横浜市大笠川博士等の互療会を中心とした熱心な活動があつたものの,全体としては関心が低く,近年になり患者の急激な増加とあいまつてその重要性が認識されるようになつた.教室においてもその重要性にかんがみ,教室および関連病院の人工肛門患者を対象にストーマクラブ「御成門会」を結成し,退院後のafter careの場としている.今回われわれは御成門会会員を中心とした78名の結腸人工肛門患者よりえられた愁訴を通じて患者のもつ苦悩の一端をのべる.これらは郵送アンケート調査を基本に,うち47名は直接面接しさらに詳しく実態調査を行ない,得られたものである.
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