看護の椅子
明日の看護婦
川上 武
1
1杉並組合病院・内科
pp.13
発行日 1966年5月1日
Published Date 1966/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912721
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“生ける屍”としか思えない患者に点滴・鼻腔栄養をつづけ,失禁の始末・褥瘡の手当をしていく。完全に駄目かとみえた患者が,動物的な声をあげるようになる。死のコースから引きかえしたことがわかる。
このような生死の極限状況になると,狭義の医療技術とならんで,看護技術・看護婦の存在が重要な意味をもってくる。看護技術は医師中心の狭義の医療技術に従属する面が強いが,相対的独自性をもっている部分も多い。これについては戦後になって,医療技術と看護技術は車の両輪だといわれ,病院医療機構の改善の理論的基礎となるはずだった。
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