特集 もっともっと助産婦に
科学は倫理の上に。倫理は科学の上に
勝村 久司
1,2,3
1医療情報の公開・開示を求める市民の会
2陣痛促進剤による被害を考える会
3全国薬害被害者団体連絡協議会
pp.36-42
発行日 2002年1月25日
Published Date 2002/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902798
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はじめに
私たち夫婦は一人目の子どもを,地元の市民病院において不必要な陣痛促進剤による被害で誕生のときに失った。産科医か,助産婦かが分娩時に妻の訴えを聞き入れてくれていたなら避けられていた事故だった。しかし妻の訴えは最初から聞き入れられるわけがなかったのである。なぜなら,市民病院は赤字解消のために最初からすべての産婦に対し陣痛促進剤を投与し,お産を自分たちの都合のよいように誘導しようとしていたからだ。
お産の現場にはさまざまな問題が存在するが,そのお産の現場を変えるために最も重要な鍵を握っている「助産婦」への期待を込めて,私の妻子の被害経験を報告し,いくつかの提言をしたい。
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