クリニカル・ヒント
腰痛症をふりかえって
谷口 典行
1
1神原琴海病院老人保健施設オアシスリハビリテーション科
pp.356-357
発行日 1993年5月15日
Published Date 1993/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103754
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腰痛症発現の原因や病態についてはすでに各方面からの研究や報告も多く,ここでは理学療法の臨床上の場面と,いわゆる急性腰痛症が発現する姿勢や労作(動作)についての注意点,ならびに,現在広く処方されている軟性コルセットについても若干の私見を述べてゆきたい.
腰痛症患者の訴えの主体は何といっても,その「痛み」である.また,痛みには至らないまでもしびれ感,筋肉の伸張感,知覚異常,筋力低下なども程度によっては出現している.出現部位は個人さまざまで,痛む箇所を指先で押さえて表現できる者もあれば,「だいたいこのあたり一帯です」とおおまかな表現の者も少なくない.明らかな根症状があればより具体的な訴えになるが,それ以外の痛みとなると本人自身もどのように表現をしたらよいのかとまどっている場合がある.
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