日本看護史の旅
北山十八間戸(奈良)
石原 明
1
1横浜市大
pp.1
発行日 1966年1月1日
Published Date 1966/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912587
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鎌倉時代の中ごろ,西大寺で修業中の若き日の忍性(1216-1303)が,日ごと訪れて看護につくしたというわが国に現存する最古の病院である。東西約130m,南北は約9mで18に仕切られているのでこの名がある。北の屋根が一段高くなったところが仏間と風呂と事務室である。もとはこれより約500mほど離れた位置にありたが,江戸時代に交通の便のよい街道沿いに移転してきた。北方に若草山を望み,南ははるか奈良市街を見下ろす景勝の地。建物はすっかり修理されているので南側の庭からみると甚だ均整のとれた美しさをもつ。私が訪れた日,快晴の初冬の午後の陽ざしが白壁にまぶしく,映えていた。奈良市池の上,駅前より奈良坂行バスで般若寺前下車。少しもどって分れ道の茶店から入れてもらうと庭に出られる。指定史蹟。保護建造物。
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