統計
精神障害者
西 真楠
1
1厚生省統計調査部
pp.1
発行日 1964年4月1日
Published Date 1964/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912199
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厚生省では昨年(昭和38年7月)第2回目の精神衛生実態調査を行なったが,第1図に示すごとく,精神薄弱者が少な目にでたのと,精神病のうちで脳器質性精神障害(脳いっ血などによる)がふえたほかはほぼ前回(昭和29年7月調査)同様であった。ちなみに,精神障害者(全国数)は前回130万人(人口千対有病率14.8),昨年124万人(率12.9)であるが,精神薄弱などを前回並とすると約150万人(率15.5)の精神障害者がいることになる。精神障害者の有病率を世帯における最多収入者の従業上の地位別にみると第2図のごとく,精神障害者が発生すると帰農日雇労働へ転落,失職などするための差異が生じている。また,必要な措置別に精神障害者をみると第3図のごとく,約3割の40万人弱が入院か施設収容を必要とするが,実際の収容人員は精神病床12万を含めて約13万4千にすぎない。さらに,実際の処遇は第4図のごとく6割強の精神障害者がまったく放置されている実状である。
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