かたらい
看護婦と共働き
山本 博子
pp.125
発行日 1967年1月1日
Published Date 1967/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913015
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先日,私の出席している専任教員講習会で,「看護婦の共働き」というテーマで,討論会をもちました。出席者6名中2名が現在共働きをしており,論議は「どうすれば共働きができやすくなるか」ということで,「保育所がほしい」「家庭でも職場でも周囲の理解が望ましい」「結婚したら夜勤のない職場に換えてもらいたい」などの意見が次々に出ました。この問題は講習生ばかりでなく,看護婦全体の問題になりますので,入念にもう一度考え直してみたいと思います。
看護という仕事で,「看護婦」として必要な「知識」「技術」「人間の心理」などを知り,その知識を単に博識として得ているのみではなく,実行する能力を養うには,かなりの人生経験が必要であるということと,看護婦の絶対数の不足という理由から,私たちはできるだけ看護を「生涯の仕事」として働きながら,その途上でよいチャンスがあれば,妻となり,母となるのもよいことだと考えます。しかし,それには,ひとかたならぬ決心が必要です。男性が自分の職務を大切にすると同じように,女性もまた,自分の職務に忠実でなければ,「この職場になくてはならぬ人」として存在することは困難だと思います。
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