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職場の人間関係とその処理法—婦長研修の立場から
横山 定雄
1
1国立精神衛生研究所
pp.50-53
発行日 1963年5月1日
Published Date 1963/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911927
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1.はじめに
最近,あたかもひとつのブームのように医療や看護の領域では[職場の人間関係」が大きな関心を呼びおこしている。これはたいへん結構なことではあるが,産業界や企業組織体のほうで人間関係やその管理が問題視されるようになったのは,それなりの社会的経済的思想的背景と基盤があってのことであり,その背景や根拠は医療や看護の領域における認識とは大きな差異がある。したがって同じく「人間関係」ということばを用いても両領域における問題の様相は大きく違っているのであるが,これについては「助産婦雑誌」1962年11月号の拙稿「職場の人間関係」に解説した関係から,ここでは医療機関(病院)という経営組織体の社会的特性からの考察をやめて,この機関に従事しそれを職場とする看護婦またはその主任・婦長の立場を中心に,職場の人間関係と職場集団に対する指導管理のあり方—とくに技術的問題に焦点を合わせて—を述べてみたいと思う。
これはとくに筆者が,厚生省主催の「幹部看護婦保健婦助産婦講習会」に何回となく扱われ(最近は1962年7月),継続9時間ないし18時間にわたって「職場の人間関係」「エモーショナルニードの理解」「カウンセリング」などをテーマとして「集団中心の教授法・指導法」をワークショップの形で実施してきたことに根源がある。
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