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内科における各種臨床検査と看護
三上 知子
1
,
近藤 淳子
1
1聖ルカ女子短期大学
pp.42-45
発行日 1963年5月1日
Published Date 1963/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911925
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毎日の看護をしていく上に,臨床検査に関した業務の占める割合はかなり大きい。正しい結果を得るためには,看護婦じしん,臨床検査についての正しい知識をもっていることがたいせつである。検査材料を目的にかなった採取方法で採取し,検査室へ送るのみでなく,患者が安心して検査が受けられるように,じゅうぶん説明する資料ともなる。さらに考えてみると看護婦が臨床検査に関する知識をもつことはこの二つのことのためだけであろうか。私は臨床検査の結果をもっと看護のなかにとり入れることが,よりその患者に適した看護になるのではないかと考える。
今ここに慢性腎炎の患者がいるとする。これらの患者は比重の低い薄い尿を多く出すことにより,体内の老腐物を処理している。しかし患者は排尿回数を気にして,水分を多くとらない。このような場合,看護婦はただ医師から水分を多くという指示が出たから,患者に水分を多くというのではなく,尿量と尿比重の関係をじゅうぶん知り,その患者の尿の状態を知り,それでは1日にどのぐらいの水分が必要かを考えて,具体的にその患者がそれだけのものがとれるようにするべきだと思う。さらに患者に水分摂取の必要性を話せば,今後の生活の上にも役立たせることができる。このようなことが看護においては,たいせつなことだと思う。
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