社会と看護
職場の中の人間関係
島田 一男
1
1聖心女子大学
pp.45-48
発行日 1964年1月1日
Published Date 1964/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905230
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人間関係についての考え方
戦後,人間関係というコトバがポピュラーになりましたが,とくに最近では,職場の中の人間関係がやかましくいわれるようになりました。職場の中の人間関係と申しますと,すぐに「部下の扱い方」とか,上司との人間関係,あるいは同僚間の人間関係といったことが心に浮かぶだろうと思います。また「読心術」といった人の心をうまくつかんで,人と人との関係をスムーズにしていく法,いわば人間操縦術といったようなことが人間関係だと考える人もあるだろうと思います。もちろん,いま述べたようなことがらも人間関係といってよいのですが,職場というものをもっと大きく産業というものの中の一つの単位としてとりあげて考えてみますと,職場の中の人間関係も実は根本的には,現代の産業の形が大きく変わることによってもたらされた,職場の中の新しい人間生活のあり方なのだということからまず考えてみていただきたいと思います。
それでは人間関係というのは,そういう現代の産業形態の変貌とどういう関係にあるのでしょうか。この点を少しくわしくお話ししてみたいと存じます。
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