特別寄稿
老人看護の反省—《外科疾患を中心として》
大江 コト
1
,
玉置 鈴子
1
,
稗島 喜代美
1
,
外5名
1聖霊病院
pp.24-27
発行日 1963年4月1日
Published Date 1963/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911900
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1.はじめに
平均寿命の延長に伴い,老人を看護する機会は多くなってきました。地方の小病院である私たちの病院においてさえ,昭和35年1月より12月までの1年間に,外科入院患者総数3400名ちゅう60歳以上の方は73名で,全体の2%強であります。この数字は今後なお増加する老人の看護についての関心をよびさまし,過去の反省,現在の批判,将来のあり方への探究へと導きます。己を知り敵を知るは兵法の極意とか,もちろん,私たちの敵は疾病でありますが,老人という一般概念よりうける生理的,心理的方面を少し調べてみましょう。
2.老人の生理的状態
外科と手術はある意味で切り離すことのできない関係を待っています。ですから患者のリスク評価は極めて重大なことであります。そのために老人特有の生理状態を知らなければなりません。老人の生理的状態として,次のことがあげられています。
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