特集 公衆衛生今後の方向
都市衛生行政今後のあり方
小林 彰
1
1東京都衛生局
pp.12-13
発行日 1963年1月15日
Published Date 1963/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202617
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保健所が現行の保健所法によって,戦後初めて新らしい行政形態の息吹きを吹き込まれた時,すでに都市型の保健所構想と農村型のそれとが異なって考えられたことは周知の通りである。杉並の保健所を昼夜兼行してモデル保健所に改築し,いわゆる新しい保健所のあり方について講習が行われたとき,その指導書の中にもこの区別は明かに示されていた。この2つの型は机上において考えるときは明かに考え易いけれど,実際に当って個々の保健所をみると,必ずしも簡単に型づけを定めにくい。都市といい,農村といっても実際の住民のあり方の姿はそう簡単に形成づけられるものではないからである。厚生省がその後保健所の型について種々変更を加えているのも当然であろう。
私がここに都市の衛生行政について申し述べるに当って,敢えて保健所の問題から言及するのは,都市といわず,農村といわず,今後の衛生行政の扇の要めは保健所に在るからである。そして都市といわず,農村といわず,すべての衛生行政は,保健所を通じて実践され,それを通じて情報が把握されなければならない。衛生行政はここに一つの重要なポイントをもっている。
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