海外の看護
諸外国の看護事情に学ぶ
千野 静香
1
1日本看護協会
pp.57-60
発行日 1962年9月15日
Published Date 1962/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911729
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「世界の看護業務は着々と進歩発展してきたが,とくに近年の科学,医学の急激な進歩,工業の発展(人口の都市集中の社会変化または)社会構造の複雑と相まって,看護サービスの需要がその質においても量においても拡大されている。ことに数における供給に著しく不足をきたしている傾向は,世界的の問題となってきた。
社会の要求している近代看護とは
今までの看護婦は一口にいって,医者の診療の介助者,医者の命令で動くものとのみ扱われてきたが,今日ではそればかりでなく,またそれから独立して専門職としての段階を要求され,医者の診療の面では気がつかない患者の人間的生活面を理解し,すなわち,医学,自然科学,社会科学,人文科学などこの各分野の知識を含蓄して,社会の生活体の中の人間を理解し,患者を中心とした総合看護(Comprehensive Nursing)を行なわねばならない。これがすなわち西洋のナーシングで,今日のユニバーサルな近代看護だといえると思う。
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