特集 人間関係
人間関係を看護にいかす
うわべの状態だけで判断できない妊産婦
笠原 トキ子
1
1関東逓信病院産科
pp.31-33
発行日 1962年9月15日
Published Date 1962/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911723
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1年ほど前,ある先生から英国で助産婦教育に用いられている本を読むようにすすめられ,早速取りよせて辞書をひきひき読んでみましたところ,その内容のすばらしさに一驚しましたが,ことにその中で,妊産褥婦への精神的看護あるいは,助産婦と産婦との人間関係の問題などが非常に大きく取り上げられていることは,私どもの日常の仕事のうえで欠けている点を強く指摘されたように感じました。従来私どもが学んできた助産婦学では,このような問題はほとんどふれられていなかったので,このような教科書で助産婦学を学ぶ人びとは非常に幸福であると思ったしだいです。幸い近頃になって,わが国でも妊婦褥婦の心理などについての著書や論文が見られるようになりましたが,産科の看護のうえで最も大きな比重をしめるとさえいえる,妊産褥婦への精神的な看護の問題について,私どもはもっともっと研究する必要があることを痛感します。以下これらの問題について少しべ述てみます。
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