特集 外来看護の実情と問題点
5.整形外科外来の場合
忽滑谷 光江
1
1都立広尾病院整形外科
pp.22-24
発行日 1962年8月15日
Published Date 1962/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911698
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整形外科外来の特色と看護上の問題点
整形外科外来においては,主に脊椎および四肢の機能障害(奇形,変形,骨折,脱臼,骨関節の疾病,神経系の麻痺など)を対象とした患者の診察と治療が行なわれている。従って整形外科独特の診察法や処置が多い。
整形外科で扱う患者には,治療をしてその病気が治癒すれば日常生活に支障のない場合と,治療が終了しても従来の日常生活に復帰できない場合とがあり,とくに後者の場合が整形外科には多い。非常にながい期間を治療に要する疾患が多いので,肉体的苦痛だけでなくそれにともなう精神的苦痛を持っていることが多く,精神的に非常に過敏になっているので,応対する態度には細心の注意を必要とする。また治療期間がながく治療効果がはかばかしくないために途中であきてしまったり,治療ののちも肢体の不自由を残しがちであるために,肉体的,精神的,社会的にも支障を来たしやすく,治療を安心して受けることができない場合があるので,患者の心理状態を良く理解し忍耐強く自発的に治療を受けるように指導し,肢体不自由者(児)の療育および更生機関を理解して説明できるよう心がけるべきである。
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