特集 看護業務の向上をさぐる—その検討の中から
Ⅳ.何を新たに学ばねばならないか
医学の発展とともに
放射線医学ドクターから/放射線医学ナースから
藤田 順一
1
1国立東京第二病院放射線科
pp.105-108
発行日 1962年6月15日
Published Date 1962/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911660
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放射線科学のなかに原子力医学Atomic medicineまたは原子核医学Nuclear medicineと呼ばれる分野が開花し,実を結んできたのは近頃のことのようにいわれるのが一般の意見であるが,播かれた種はすでに古く60年以上の歴史があるのである。
1895年にレントゲンがエックス線を発見し,次いでベクレルが1896年に自然放射性物質を発見した直後に進歩がはじまつたのである。おそらくすべての発見のうちで,医学や生物学のなかに深く浸透してこれほど強い影響を与えたものとしてはエックス線の上に出るものはないであろう。電離放射線の価値も他の多くの発見と同様に,その発見当初の予想外のものであった。レントゲンはまったく純粋にこの放射線の物理学に興味を持っていたが,しかも一方,医学のために使われる可能性は十分に理解していた。
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