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皮膚泌尿器科に於ける放射線療法
山下 久雄
1
,
藤田 順一
2
,
宮坂 知治
3
1慶大醫專
2國立東京第二病院
3慶應中野病院
pp.445-452
発行日 1950年11月1日
Published Date 1950/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200417
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緒言
放射線,特にエツクス線やラジウムはその發見直後から治療に應用され,その利用方面は臨床各科に亘つているが,皮膚は治療後の經過を視診觸診で簡單に觀察が出來,試驗切除等の詳細な檢索が容易であつて,放射線療法の効果が非常によく着目されるので,最も早く進歩したのは皮膚科領域であるといつても過言でない。吾國でも土肥慶三博土が1912年に持歸られ,當時既に皮膚疾患になくてはならぬものになつた。
多くの場合,放射線は経皮的に照射するので,皮膚は最も強く照射され,茲に著明な反應を呈する。皮膚は又放射線感受性に富む臓器の一つで,皮膚の反應の程度は放射線の作用を研究するのに重要であつて,皮膚紅班量として早くより放射線の生物學的尺度の代表的なものとなつた。皮膚の障碍は放射線障碍中,最も重要な問題で此の對策を充分に考慮せねばならない。從つてあらゆる角度から見て放射線醫學上皮膚は最も大切な對照である。
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