昭和37年看護界の課題と期待

　昭和36年は看護の業務，教育そして行政上のいろいろな問題を未解決に残したまま過ぎさつてゆきました。しかしこの年はまた一面看護にとつて収獲のあつた年でもあつたと思います。その収獲は必ずしも直ぐに人々に見ていただけるものではないかもしれませんが長い間にはきつと実を結ぶと期待しています。いつたい昭和37年の看護の大きな問題とは何でしよう，そして期待とは何でしよう。私の立場で考えるそれらについて述べてみたいと存じます。本誌を御読みになる殆どの方が臨床看護にたずさわつていられると考えて，特に看護婦准看護婦問題に限つてのべてみたいと存じます。

　Ⅰ．病院勤務看護婦の不足

　病院に勤務する看護婦准看護婦の数の不足については等しく頭を痛めていられることと存じます。