救急処置講座・2
集団食中毒の救急処置
有賀 槐三
1
,
長谷 克
1
1日大
pp.39-43
発行日 1961年10月15日
Published Date 1961/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911489
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はじめに
どの範囲までを食中毒として取扱うかという事については学者により意見を異にしているが,一般には急性消化器伝染病病,寄生虫,食品アレルギー等は除き,細菌その他により汚染された或は腐敗を起した食品を,摂取する事により中毒症状を呈したものを主としており,又普通食品として供され時としてそれに有毒物が含まれるもの,例えばふぐ中毒,あさり,はまぐり,茸中毒も食中毒として取扱われる。
食中毒は散発性に起つた場合は,殊にそれが軽症の場合は単なる急性腸炎或は寝冷え等として処理されることが多く,統計上にも現れて来ない。又中等症以上であつても単発性のときは届出されないことが多い。本誌の目的とするところは集団的に発生した場合の取扱いであるが,かかる場合は大多数が届出されると見てよい。
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