特集 保存的治療の適応と限界—外科から,内科から
特発性血小板減少性紫斑病
外科から
平出 康隆
1
,
二川 俊二
1
1順天堂大学医学部第2外科
pp.1535-1538
発行日 1990年10月30日
Published Date 1990/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900264
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
特発性血小板減少性紫斑病 idiopathic thrombocytopenic purpura(以下ITP)は,その病態として,自己免疫機序が想定されており,治療としては,副腎皮質ホルモンを中心とした薬物療法と脾摘術がある.ITPは,急性型と慢性型とでは年齢,経過,予後などに大きな差がみられ,急性型は,主として小児にみられ,自然治癒例が多く,一方慢性型では20歳台の女性に多くみられるが,寛解率が低く,再発再燃を繰り返すものが多い.本稿では,ITPの治療の主体である副腎皮質ホルモンを中心とした薬物療法から,脾摘の適応を考慮する際に,その効果,寛解率と共に問題となる手術合併症を中心に述べる.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.