ストはやめての投書をめぐって
大衆に与えたショックは大きい—婦長から
pp.14-15
発行日 1961年4月15日
Published Date 1961/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911303
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病院ストといえば看護婦が病院の門で最前線にたつて赤旗をふるものと社会の人に思われるようになつてしまいました。病院の中には他の職種の人も非常に多い中ですのに。赤旗の林立するその下で,ピケを張り労働歌をうたう看護婦を,テレビと新聞と揃つてニュースするようにしています。そこのナースがやらなければ他の病院の看護婦の応援を求めてまで,その風景をつくるというようなことになります。これまで感じていたナースとこの現実に立つて病院に親しんでいた患者はもちろんのこと,一般大衆の人々にまでかなりのショックを与えていることはまぬがれないようですし,またナースの労働が非常に重労働であり,その割に待遇がよくないことも十分に認識されたことと思います。こういう意味で,私のところにもかなりたくさんのお手紙をいただきました。その中にY.N.というかわいいグリーンの封筒のものがありました。字も一字一字力を入れ,ていねいにかいてありましたが,それは看護婦になりたいと思つている中学3年の保子さんという方からでした。レターペーパー6枚にわたり.こまごまと記されたものでしたが,これを見まして,だれに言われたよりも一番切なくて,どう処理をしたらよいのかわかりませんでした。いちど手紙を出してこの少女に会いたいと考えましたが,大阪市とかいてあるだけで消印もあいにくうつつていませんでしたので,どうしようもなく,ここに掲載していただくことになつたわけでございます。
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