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テレビ劇「胎動期」をみて
N.T.
1
,
M.T.
1
1会社員
pp.29
発行日 1961年2月15日
Published Date 1961/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911257
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職場における年配者と今の若いものとのものの見方,考え方,生活態度の相違からくる意見の衝突ということは,いかなる会社,団体の中にも十分あり得るということです。それを1つのテーマに取り上げたところは,新しさというものは見られませんでした。むしろ病院という1つの社会の中でその主題を取り上げたことに意義があると思います。悪くすればバクロ的なものになり兼ねないでしようし,またそういう意味から週刊誌的に終つてしまうこともあります。その点「胎動期」は冷静な態度で事実(私は事実と思つています)を訴えている点,観る者に感動を与えたことと思います。
あの作品から現在の看護婦という職業が,一般にいわれている「白衣の天使」という美名のもとに,白いベールでつつまれた社会で忍耐と忍従を強いられてきた年配者と,若いものとの2つの社会が,いつでも,どこからでもふつきれないとも限らない,複雑な感情をはらんでいるようにさえも思われます。それは必ずしも解決できないというものではなく,話し合うこともせず,誤解が誤解を生むという結果になつているように思われます。
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