特集 身体を使った対話“演劇”がケアになる
「劇にしてみよう!」習慣のススメ
中島 裕子
1,2
1NPO法人BASE
2就労継続支援B型BaseCamp
pp.469-474
発行日 2024年11月15日
Published Date 2024/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689201340
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日々のモヤモヤや困りごと、みんなで「劇というきき方」なんて、いかが?
「じゃあ、エアコンの風“役”やるひと〜?」ここは、就労継続支援B型BaseCamp(べーきゃん)。精神疾患などを経験したメンバーが集まり、仕事の場でありながら、日常の居場所にもなっています。私は、精神科病院や訪問看護での勤務を経て、現在はここでサービス管理責任者をしています。病院や診察室という専門的な場を超えて、日常の中で悩みや困りごとに、身近な「みんな」で取り組む方法について考え続けてきました。もちろん、個別に話すことや専門家の支援が必要な場合もありますが、「みんな」だからこそ、できることがあると感じています。
ところで、突然ですがスリランカの「悪魔祓い」をご存じですか? スリランカでは、「孤独な人に悪魔が憑く」と考えられています。病の人がいると、村人総出で「悪魔祓い」の儀式を夜通し行います。音楽や踊りとともにリズムにのり、笑いが伴う、まるで悪魔と一緒に遊ぶような時間です。ここでの「悪魔」は単なる悪者ではなく、病気や孤独の象徴。否定するのではなく共にあることで、気づきや癒しのきっかけを与える存在。こうして再びつながりを取り戻す時間こそが、「悪魔祓い」とも言えるでしょう。
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