Nursing Study
「新生児火傷について」を読んで
常葉 恵子
1
1聖路加国際病院小児科
pp.36
発行日 1960年1月15日
Published Date 1960/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911014
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新生児の火傷について,あらゆる方向から検討された此の研究発表を読んで,大変有意義に思いました。此の原稿の中でも度々言われて居る様に,新生児や乳児の火傷は,全く取り扱い者の責任であつてどの様な理由があつても,その弁明にはならないと言う事を読者の皆さんが再認識されたことでしよう。どんなに注意しても,注意しすぎると云う事はないのです。但しただ漠然と注意して居ても,若しも大切な点がはずれて居なたらば,事故はいつでも起り得るのです。この研究発表には,どの様な事柄を注意しなければならないかを,整理して明記しております。又具体的な取り扱い上の問題が書かれてあることがとても有益でした。又その説明が新生児の生理を基礎にして行なわれており,更にはつきりと理解することが出来ました。毎日新生児や乳児を取り扱つて居る私達にとつて,反省のよい機会となりました。特に冬に向つてますます保温が必要な時期にあたつて,これが発表されたことはうれしいことです。
新生児や乳児の事故は,火傷だけにかかわらず,全てその子供の一生を左右する問題へと発展することがあります。私達取り扱う者は,一層細心の注意をはらい,その責任を完うしなければならないと思いました。
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