連載 道拓かれて—戦後看護史に見る人・技術・制度・23
傾聴・分析—職能団体の自律と成熟への道
川島 みどり
1
1健和会臨床看護学研究所
pp.1082-1085
発行日 1998年11月1日
Published Date 1998/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905715
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2つの初心にかえる
昭和21(1946)年,1300名の会員からスタートし,平成10(1998)年3月現在,会員数46万1942名,就業看護職の過半数を占める巨大組織になった日本看護協会.社会の変化に連動して起きる問題ごとに,なんらかの対応を迫られたであろう看護協会の50年の歩みは,他の歴史書に譲るとして,やはり戦後看護は,協会抜きには語れないことを,戦後50年の協会史1)ひもといて実感した.
そこには,鮮明な記憶の再現,あいまいな記憶の再生を動機づける幾多の出来事が要領よく述べられていた.一方,文字にならない言葉が行間に多くあること,なかでも組織運営の基本となる1会員の,声なき声のあることを思った.そこで,ひら会員の目から巨体の過ぎ来し方を省みるのも意味あることと,あえて連載に取り上げることにした.
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